私の愛する家族のはなし

すごく迷っていることがある。
それは、犬を飼うこと。

約、十年前に雑種だったが(でも、見た目はスピッツ)とても賢い子を飼っていた。
私が高校生のころに近所に捨てられていたのを見つけ、親に懇願して飼うことを許してもらった。
初めてのペットだった。
狂犬病やフィラリアの薬をもらいに病院に行くと、歩くことを拒んで断固として動かなかった。
仕方がないので抱いて診察台に乗せると、足の震えが半端なかった。
そんな姿を見て、気の毒な気持ちと笑いがこみ上げてくる気持ちが混同していた。
そんな病院嫌いな子は、花火と雷と掃除機が嫌いだった。
夏場は、あの子にとっては苦手な季節だったんじゃないかと思う。
近所で誰かがロケット花火をしようものなら、周囲の様子を伺い始め動きが止まり、
耳を澄ませ息が荒くなり、足が震え始めていた。
そんな時に、いくら名前を呼んでも反応はせず、いつもカーテンに顔をうずめるか、狭い場所に隠れる。
いつも決まった隠れ場所があったが、一度 近所に雷が落ちたときにあまりの音に驚きに動揺したのか
違う場所に隠れていて、なかなかみつからなかった時があった。
すのこのようなテレビボードの裏に潜りこみ、頭が挟まり出れなくなっていた事があった。
あれには本当に驚いたし、多分 本人が一番驚いていただろうと思う。

そんな子だったけど、家族が病気になったときは 近くで見守るようにじっと見ていた。
何日も何週間も何ヶ月も何年も、そうして近くで見守っていた。
時折、『ねーねー』と話しかけるように、前足をトントンと病気の家族の手を優しくたたいてくれていた。
そんな日々が続いていたある日、とうとう病気の家族が救急車で運ばれ病院で亡くなった。
それから、帰らない家族を毎日毎日玄関で待ち続ける日々が始まった。

それから、約2年後大好きだった家族の元に逝きました。
本当にかわいい家族とめぐり合えてよかったと、今でも思う。

約、十年振りに犬を飼いたいと思えた気持ち。
やっぱり、迷うなぁ。



 

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